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2010年12月

天翔の湯 大門  ☆

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京都には温泉がない。嵐山など僅かにある温泉宿も、源泉掛け流しとはいかないようだ。
温泉抜きで純粋に京都を楽しむ覚悟はしたものの、温泉ファンとしては、東京を離れて宿に泊まっているのに、温泉がないのが落ち着かない。
宿から離れたところだったので、よほど気が向いたらという積りでチェックしていた温泉は、京都で唯一源泉が掛け流されているところだ。
それは、街中にある狭苦しい銭湯だった。高深度掘削の化石海水である。京都も太古の昔は海だったというわけか。

内湯は循環だが、半露天が加熱掛け流しであった。写真の横と奥の2箇所の投入口が非加熱源泉で、底面から加熱されたお湯が注入されている。
海水のように塩分の濃いお湯で、(冬だったため)冷たい非加熱源泉を飲んでみると、かつて一度だけ経験したことがある不味さ。毒でも飲んだようにつきささる刺激で、全くひどい味だ。
そう、伊豆の雲見温泉「赤井浜露天風呂」に近い味。海水混入型の温泉でも、こんなひどい味は滅多にない。
それでも、浴感は素晴らしい! 今年最大の収穫だ。海水型に加え、鉄分も強い。
東京近郊にも化石海水型の温泉は多いが、ここよりいいお湯はないかもしれない。純粋に源泉を比較するなら、勝負になるのは、同じ銭湯の「清水湯」と「ゆの華」柏店(絶妙な非加熱源泉に浸かれるのは日替わり男女交替の片方(1階)のみ)くらいだろう。

加熱であることは、なんらマイナスには感じない。もちろん、非加熱源泉を投入する水風呂があれば、更に素晴らしかっただろう(2つ☆だったろう)。
浴室には、水風呂もあり、水道水だろうがカルキ臭はなく、さすが京都というべきか? 半露天と水風呂の交互浴に痺れてしまった。

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阪急京都線「西京極」駅から徒歩12分くらい。

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http://tensyonoyu.web.fc2.com/index.html

柊屋別館

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京都に来たからには、ちゃんとした京懐石を食べたいと思った。
とはいえ、祇園あたりの懐石料理は平気で2万、3万取る店が犇めいているし、2泊のうち1泊は宿で食事をとりたいと思ったので、料理の有名な宿で、値段もまあまあ手頃なところということで、柊家別館に落ち着いた。宿泊費は1万9千円。部屋は一番良いところじゃないかと思う。

柊家の本館は京都でも指折りの高級旅館として有名だ。宿泊費は下は3万円から上は9万円。
しかし、別館の方は、宿が高級な作りにはなっていないため、だいぶ廉価になっている。ネット情報では、料理の評判も良い。

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京都市役所の近くにあり、ちょっと歩けば、河原町の賑やかな繁華街にも歩いて行ける。
そんな場所に、ここだけ時間の流れが止まったような昭和の宿がある。
僕の年齢(40代)くらいを境にして、子供のころによく目にした作りで懐かしいと感じるか、ただ古臭いだけと感じるか、分かれるかもしれない。
床が軋むということはなく、よく手入れされているようだが、決して高級旅館というわけにはいかない。
少々高めの宿代は、もてなしの心と料理が全てといってもいいだろう。

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先附
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椀物 

その料理、東京でよく目にする、5千円前後のプチ京懐石とは一線を画すレベルのものだったことは間違いない。
京懐石にしては、椀物など、味はやや濃いめであるようだったが、凡人には想像できない技を感じさせる料理が続き、一品一品出てくるごとにワクワクした。
しかし、願わくば、刺身だけは出ない方がよかった。これだけは料理人の腕が揮われないものだろうが、スーパーで買ってくるものより落ちる気がした。
朝食は夕食ほどの感動はないが、彩りよくまとまっている。

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焼物
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焚合せ
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向附                    お凌ぎ
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汁物                    水物

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朝食

http://www.hiiragiya.com/

美齢

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印象的な、素敵な店名だと思う。
美齢(メイリン)は、食べログでたいへん評判の高い京都の中華料理店だ。
中華料理は高級店も多いが、ここは庶民のための隠れ家的なお店で、料金設定はとても良心的だ。(写真の料理は、一皿800円~900円)
その場所は、繁華街でもなんでもない、軽自動車でさえ通れない路地にある。
店には2階もあるようだが、予約して通されたのは、目の前でご主人が調理するのを眺められる1階のカウンター席。
1階席は全部で10席に満たない、こじんまりとした店だ。

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 ふかひれと蟹肉のスープ

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 石焼マーボー豆腐

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 青梗菜のクリーム煮

僕が気に入ったのは、中華なのに京懐石料理店のような構えと、その中華らしからぬ上品な味だ。
真に美味い料理は、薄味につきると思っている。
京都で中華を食べるにしても、下卑たものは厭厭、辛さにひーひー言いながら食する四川料理など言語道断、分不相応に肥えた味覚を満足させたい。
この店、高級素材を使っているわけでもなく、極めて大衆的なメニューだが、京都らしい中華レストランであり、コストパフォーマンスの高さともども、たいへん満足した。
この日、注文した中では、青梗菜のクリーム煮のクリームが出色だった。

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 豚肉の黒酢いりつけ

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 杏仁豆腐(金木犀の花入り)

美齢(メイリン)
 京都府京都市上京区黒門通元誓願寺上ル寺今町511
 Tel=075-441-7597
 営業時間=11:30~14:00, 17:30~21:00
 定休日=月曜・不定休

鍵善良房

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昔、金沢に住む叔父から、母の住む実家に、くずきりが送られてきたことがあった。
和菓子にはあまり興味がない自分だったが、このときのくずきりが随分と美味しく、くずきりは自分にとって、単なる和菓子の範疇に納まらない特別なものとなった。
それ以来、デパートの食品店街や浅草等に行って、くずきりを目にすれば、買い求めた。しかし、これぞくずきりという、納得したものには出会ったことがない。

そういうわけで、せっかく京都に行くのだから、くずきりの名店があるはずとネットを検索して見つけたのが、この店だ。
鍵善良房(かぎぜんよしふさ)は四条通りに本店があるが、最初に入ったのは、高台寺(こうだいじ)店の方だ。ねねの道から西へ1本ずれた通りにある。本店より狭いが、場所柄落ち着く。

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看板のくずきりは黒蜜と白蜜とある。両方食べてみたが、黒蜜の方が断然美味しい。
蜜の味は濃厚な甘さだが、不思議とくどく感じない。くずきりの不思議な感触との相性は、天の恵みとしか思えない。
くずきりというものを発見した人もすごいが、黒蜜と合わせたことは、日本食文化の最も恵まれた出会いの一つだと思う。
水上勉氏の気に入りだったくずきりの名品だが、氏が書くように、お替りしたくなる美味しさだ。

ところで、普段口にしない黒蜜であるが、同じ京都旅行で入った宝泉茶寮の、わらびもちに供えられた黒蜜は、甘さを抑えたものであった。どちらも素晴らしく、和菓子もなかなか奥深いと感じた。

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高台寺店

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グリーンティー

高台寺店があまりに気に入ったので、翌日、本店にも伺った。
こちらは賑やかな四条通りに面しているが、中に入ると、表の喧騒が嘘のように、穏やかで居心地の良い空間が広がっていた。

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本店(四条通り)

http://www.kagizen.co.jp/

京都を歩く(二)

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R0015914_2 龍馬の墓参りの後、四条通りに出て、葛きりの老舗「鍵善良房」本店に入った。実は、初日も高台寺店に入っているのだ。とても美味しかったので、また味わいたく、予定外の訪問をした。後ほど別の記事にするつもりだ。




四条通を西に進むと、南座がある。お騒がせのあの人が、本来なら公演しているはずだった。
地下鉄(京阪)に乗って、終点の出町柳で降りる。下鴨神社をぬって住宅街を10分程歩くと、和菓子の名店「宝泉」の茶寮がある。
ここで一服する。わらびもちが評判のようだ。

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この辺りは他に何もないので、ここまで来るには少し覚悟がいるだろう。そのまま、一本道の金閣寺へはタクシーを使った。
金閣寺は初めてと思うので、大いに期待したのだが、意外にこんなものかという感想。縁日さながらの風景にも少々興醒めした。
写真もいいものが撮れなかったので、掲載は諦める。
この後、2日目の宿へ向かう。

3日目最終日は、京都駅の南側、東福寺と平等院へ向かう。
東福寺は、寺院建築の素晴らしさに圧倒された。実に力強い建築だ。そして、枯山水の庭園を見ながら日向ぼっこ。
ここはとても気に入った。こういう居心地のよさは、訪れてみないと分からない。

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京阪電鉄の宇治駅構内(凝った意匠)   宇治川

東福寺を後にして、宇治まで少々長い道のりを京阪電車に揺られ、今回一番期待していた平等院に着く。
その佇まいは、静謐にして、あまりに美しい。千年の歴史を前に神妙にならざるをえない。
鳳翔館に展示されている仏像を見ていると、眩暈にも似た感覚に襲われた。
ここは、私にはまだまだ重すぎるようだった。

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京都を歩く(一)

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12月上旬、紅葉も終りの頃の京都を訪れた。
歳のせいか、神社仏閣も昔ほど退屈ではない。
それでも、観光地化されているにしても、それはそれで京都の町を歩くことの方が楽しい。
普通は「街を歩く」と書くところだが、京都の場合は「町を歩く」と書きたくなる。

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高台寺  水面に映る紅葉は神秘的な美しさ

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高台寺の竹林

初日は南禅寺から始めて、円山公園を横断し、ねねの道、八坂の塔を通り、宿へ向かう。
夜は、ねねの菩提寺である高台寺のライトアップを楽しんだ。
翌朝は宿から歩いてすぐの清水寺へ。修学旅行の記憶は最早なかった。
清水から北へ抜ける雑踏も楽しい。
突き当りを右に曲がると、坂本龍馬の墓へ続く。大河ドラマの影響でたいへんな人気だ。きつい坂道と何十段もの階段を上り、龍馬にありがとうを言ってきた。
墓は供え物で騒々しかったので、写真は載せない。(続く)

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八坂の塔

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PHOTOGRAPH  ERIN BODE

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お待ちかね! エリン・ボーディの新作です。
今回は、今までのアコースティック一点ばりの構成からイメージチェンジして、80年代ポップサウンドを意識した作りになっています。それに、意識してピアノを排し、ギターサウンドにした感じです。
80年代ぽいというのは、YAMAHAのDX7をシンプルに使うものだから、所謂デジタルサウンドの古典だなあと思ってしまうようなところ。
それにしては、普通ならリズムマシンを使うところに生ドラムで頑張るものだから、なんとなく違和感を感じなくもありません。

でも、よく聴くと、純粋にアコースティックな曲も何曲か入っているし、音楽的内容は今までどおり、詩的で内省的な、抑制されたロマンチシズムが溢れています。エレクトリックを入れることで成功している”TELESCOPE”のような曲もあるし、バンジョーを巧みに使用した”JOSEPH”のような力強いナンバーもあります。この曲の高揚感は鳥肌ものです。
結局、今までと一番違うのは、エリンの声にいくらかエフェクトがかかったというところだと思います。
ちょっと細く感じる声なので、まあ、そこがキュートで癒されるのですが、曲によっては太く聴こえるようにエフェクトをかけるのも手かもしれません。

今回のアルバムは、ちょっと趣向を変えてきましたが、これがエリン・ボーディ・バンドの変節とか、到達点ということはないだろうと思います。前作のクリスマスアルバムと同様に、この新作も企画ものという気がするのです。
80年代音楽へのオマージュ。
次は、どのような展開を見せてくれるか、楽しみが増えました。

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