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被災地を訪ねる

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GW直前になって、被災地をこの目で確かめておきたいという衝動が再燃した。
この身をその場に置かなくては分からない、テレビの映像だけ見ていても感じない、何かがあるはずだ。

被災しなかった者にできるのは、事実を直視し、被災の原因を考え、未来はどうあるべきかを考えること。また、現地や近隣地域への旅行、ボランティア、募金等を通じて経済的復興や人道支援に協力することだと思う。

現地に入るにあたっては、状況視察を目的とする場合とボランティアとがあると思うが、いずれにしても被災地によっては自粛すべきところがあると聞く。
三陸地方の場合、ボランティア渋滞が発生しているところもあるそうだ。そのため、グループ参加で車一台に同乗することを条件につけたり、受け入れ自体が困難でボランティア自体を断っているところもあるという(もっとも、GWだけの話かもしれません)。

視察だけなら、ジャーナリストでない限り、そういうところへ車で行くことは控えるべきだろう。
今回の視察で訪れたところは、宮城、福島の国道沿い、高速道沿いに至近なところであるため、道路混雑はなく、むしろ意外なほどにひっそりとしていた。そのため、躊躇なく奥まで入ることができた。(今後もそうであるとは限らないため、現地に入る場合には、くれぐれも迷惑にならないようにしてください。)

※写真をクリックすると、大きく表示されます。


1.いわき市 2011.4.30 (震災50日目)

東日本大震災のあった3週間前、いわきの小名浜港や三崎公園を観光していた。
http://hiro33.cocolog-nifty.com/ichiyu/2011/02/post-5455.html

三崎公園に大きな被害はないようだったが、中にあるホテルは休業していた。
とても素敵な場所にあるホテル、どうにか存続してもらいたい。
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小名浜港は立入禁止になっており、市場のある目抜き通りは写真のような状況。
まだ信号も灯っていないが、交通量も少ない。写真撮影している人が結構目に付く。

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  写真右は、クレーンで船を引き揚げようとしているところ。


小名浜港はご覧のような有様だったが、港からちょっと離れると、何もなかったかのように落ち着いており、港湾地区の再開だけが復興への課題という状況のように見えた。
この地区に限って言えば、住宅街の被害が少ないようであるのは幸いだ。


このところ、このブログで白水阿弥陀堂の記事へのアクセスが多い。
http://hiro33.cocolog-nifty.com/ichiyu/2011/03/post-6002.html

「白水阿弥陀堂 被害」といったキーワードで検索してくる方ばかり。
何も情報提供できなくて申し訳なかったので、再訪して状況を確認してきた。

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ご覧のように、外見上の大きな被害はないので、ひとまずご安心を。
阿弥陀像の背後にある壁の、向かって左上のところがずれて隙間が生じている等、歪みはいくつか発生しているという。
5月下旬に文化庁の専門家が来て、今後どうしていくか検討するそうだ。


2.南相馬市 2011.5.1 (震災51日目)

白石ICで東北道を降り、母の母方の実家のある角田を通り、相馬に入る。国道6号を南下すると、左手海側に荒れ果てた光景が見える。同じところで、右手は普通の景色が広がっており、国道6号が防波堤になっていることがよく分かる。

自衛隊の車も多く見かけるが、全体の交通量は多くはなく、スイスイと進む。なにしろ、福島第一原発へと向かっているわけだから。。。
途中、道路脇まで船が流されているところなど見られ、被害の凄さが分かる。

南相馬市に入り、右手にお伽噺の世界のような結婚式場と道の駅南相馬が現れる。この辺りまでは一般車も見られたが、少し進むと、走っているのは自衛隊の車だけになった。
地図を確認すると、原町の辺りで、原発の22~23キロ手前だ。これより先、進入禁止のゲートがあるのか知らないが、進むわけにはいかない。国道6号を離れ、海の方へ向かう。
現れたのは、写真のような光景。倒壊した家屋の前で、ただ茫然としている住民を見かけた。

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新田川の近く

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R0018061 写真左は真野川の河口付近(右田浜)
Minamisouma


3.閖上(ゆりあげ)~宮城県名取市 2011.5.1~5.2 (震災51日目)

自分は、仙台市に生まれ、4歳ころまで名取市で育った。
高速に乗っているときから周りの状況が見えていたが、名取ICを降りると、あまりの様子に胸が痛んだ。

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写真の左手が被災しているのに対し、右手の新興住宅街は無事。
高低差1メートル半くらいだろうか。この差が明暗を分けた。
それにしても対照的な新興住宅街の様子が下の写真。建築中の家もあった。
この住宅地は、仙台空港アクセス鉄道に沿うように広がっている。
住民の命を救った高低差だが、地球温暖化で数十年の後にはどうなるだろうか。

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上の写真の場所(美田園駅近辺)と目と鼻の先の被災地の様子。
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閖上浜は、本来は美しいところなのだろう。
記憶にはないが、幼い自分が最初に見た海だそうだ。

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瓦礫となった車の処理は、5月9日以降に進められるというお知らせ。
震災後2か月間もこのままということ。。。


4.荒浜周辺~仙台市若林区 2011.5.2~5.3 (震災52日目)

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北へ向かって。左手が仙台市街地側になる。

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地形が歪んでしまった。。。(潮音荘の前、向こう側には仙台市街のビルが見える)

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老人ホーム「潮音荘」            仙台市街地方向を臨む

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若林区の臨海部は、建物はそう多くはなかったのだが、一部に住宅が密集している地区がある(下の地図をご覧ください)。それが海岸のすぐ手前に位置する荒浜地区だ。被災前は、美しいリゾートのようなところだったと推察できる。
そして、震災当時、200~300人の遺体があると報道された現場だと思われる。
こんなところを住宅用に販売した業者の責任は問われるべきだ。

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荒浜小学校。周辺で唯一の高い建物。
助かった人の多くは、ここに避難してきた。

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海側の一部を除いて被災した形跡のなかった住宅街(仙台市宮城野区南城道田)。七北田川沿いにある。
周りは被災しているのだが、やはり少し高台になっているのだろうか?


5.松島 2011.5.2 (震災52日目)

日本三景の一つである松島を訪れたのは今回が初めてだったが、その復興ぶりに安堵した。美しいところだ。
観光客も写真で見るよりも多く出ており、活気があった。
半分以上の店はまだ閉まっているようだったが、それにしても早い復興だと思う。

ここ松島に来る前、塩釜にも寄ったのだが、市街地には被災の形跡が残っているものの、塩釜魚市場には津波があったような形跡は見られず、とても不思議に思った。
地図を見て、納得したが、塩釜も松島も松島湾に浮かぶ幾つもの小島で守られている。襲った津波は、荒浜や閖上に比べれば、相当威力の弱いものだったと思われる。
松島は古くからある観光地だが、ずっと存続している理由は、そういう地理的なことを含んでいるのだろう。

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Matsushima


いくつかの被災地を回って意外だったのは、殆どの地域で、まだ全然復興に向かっているという実感を持てない状況だったことだ。
自衛隊やパトロールカーは多く見かけるのに、ボランティアや瓦礫処理をしている人たちをあまり見かけなかった。
これまでは遺体捜索や被災者への物資搬送などが優先されたため、本格的な瓦礫撤去はこれから始まるという状況なのだろう。とりあえず、車が通る道を確保したというところで作業を止めている感じだった。

菅首相が進める災害に強い町づくりには、瓦礫を撤去するのに合わせて、十分に検証された都市計画が必要になる。そのためには、相当の時間が必要になるだろう。
早く帰りたいと主張する住民の皆さんを説得しつつ、慎重にことを進める必要があると思う。

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コメント

Family of water さん、初めまして。コメントありがとうございます。

現地の方は、今回の被災を風化させないことが大事といいます。
正直、神戸のときは自分には身近な出来事のようには思えませんでした。今回の震災でも、西日本の多くの方が、やはりそれに近い感覚だと思います。

凄い、ひどい、は、あくまでマスメディアの提供する情報から感知するものに過ぎず、実際に体験しない者には、ドラマと同じような記憶として終わってしまいがちだと思います。

意識として長く持ち続けたいという気持ちはあるのですが、何をなすべきかよく分からない歯痒さもあります。

貴重なレポートをありがとうございました。
今回の「大災害」は巨大すぎて、私はまったく対象化できておりません。
その中で新たな角度からの視線を一つ提供していただき、事象が少しだけ立体化されたことに感謝いたします。

テレビでよいニュースを二つ見ました。
天皇陛下皇后の避難所訪問。温かいお人柄に胸打たれます。多忙なスケジュールのようなので、お体が心配です。
そして、菅首相の浜岡原発運転停止要請。歴史的英断です。当然の決断ですが、よくぞ決めてくれたという気持ちです。東京や名古屋の存亡を脅かしてまでエアコンを利かす必要なんてないですから。生活のことを考えると。。。なんてコメントするのはナンセンスです。

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