打心蕎庵
私が育った世田谷区北東部では、最近になって本格的な蕎麦屋が増えてきた。
それに気がついて、通いなれた「安曇野」(三軒茶屋)のほか、先日記事にした「東風」(三軒茶屋)、「石はら」(松蔭神社)、「武屋」(三軒茶屋)、「七つ海堂」(代沢)、「打心蕎庵(だしんそあん)」(下北沢)と周ってみたが、蕎麦の真髄を感じさせ、酒を呑むのにも最高なのは「東風」、つゆが美味しく、雰囲気なら世田谷一と思わせるのが「打心蕎庵」だ。
蕎麦屋を語る際、料理の味の他にもいろいろな要素があるが、この2店は味だけじゃない他の魅力も兼ね備えていると思う。
日本酒や酒の肴の品揃え、バーみたいなお洒落な雰囲気が魅力の「東風」に対し、「打心蕎庵」はどこか京都の雰囲気がある和風の小奇麗な店だ。近所のおば様方の集会に使えそうなのも「打心蕎庵」の方かと思う。
少し煩いことを言うと、メニュー全体の完成度が高いわけでもなく、接客も店員の数の割には機能していない感じで、どこか素人くさい。
それでもこの店の魅力は他を圧倒している。
なんだか癒されるのだ。
代沢の閑静な住宅街の中、森厳寺の真迎えにあるため、店の周りは鬱蒼としている。
店の敷地内と森厳寺には、区の保存樹木の指定を受けた見事なイチョウの巨木がある。
店主は京都らしさを演出しようと、この立地にかなり拘ったと推察できる。その思惑は見事成功しているのではないか。
その証拠に、駅から遠い立地にも拘わらず、客足は途絶えない。
蕎麦に箸を進めながら、全てを忘れて癒されるには、とてもいいところだと思う。そのためには、できれば空いているときに来たい。
料理については、とにかく蕎麦が美味しい。いわゆる「せいろ」である「秋そば」、他店では「田舎蕎麦」と呼ぶことも多い「挽きぐるみそば」があり、どちらも上出来。汁がバランスよく深みがあって感心する。
酒の肴では、この店で手作りしている「板わさ」がお勧め。色の付いた方が帆立、白い方がはもを素材にしている。
天ぷらは何も言わなくても塩とつゆの両方が出てくる。



◇気に入り度(☆による5段階評価)
蕎麦 ☆☆☆
つゆ ☆☆☆☆☆
酒の取り揃え ☆☆
料理・肴 ☆☆☆(メニューの多さに一票)
雰囲気 ☆☆☆☆(世田谷の一等地によくぞここまで!)
CP ☆☆☆
◇訪問回数
5回以上
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