音楽

the little garden  erin bode

Imgp1785_3このアルバムについて長く書けば、それはもうエリン・ボーディーに宛てる恋文のようなものになってしまうだろう。
チャーミングで、肌触りのよい、巷に溢れた音楽とは違う何か。
そこにあるのは日常的な歌に過ぎないのに…。

その音楽はさりげないけれど、表情豊かでメロディも展開も閃きに満ちている。
緩みやくどさがなく、あまりに心地よいので、聴いているだけで幸せな気分になる。

Imgp1794_2ちょっと聴くと線が細くて、頼りなげな印象もするボーカルだけれど、その気になればスキャットもこなしてしまいそうなほど巧みにコントロールされた声。
オペラ歌手のように繊細な表情の移ろいも表現してしまう。

サポートするアダム・マネスも素晴らしい。
彼のギターは優しく心地よく、彼のピアノは粋でよく気が利き、ボーカルと絡むように歌い上げる。


Imgp1791ところで、このアルバム、CDショップに行くと、なぜかジャズコーナーに置かれている。
でも、全然ジャズじゃない。強いて言えば、ベースがエレキじゃなくてウッドだからかなあ、というところ。
アメリカよりもなぜかイングランドっぽいと感じてしまうのは僕だけ?
女性ボーカルのCDは軽く100枚は持っているけれど、これは最も愛すべき一枚。

http://www.hmv.co.jp/news/article/810200095

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tropicalia 2  カエターノ・ヴェローゾ&ジルベルト・ジル

Imgp1776_4このアルバムを最近よく聴いています。
ブラジルの大御所、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルの共演作。
軍事政権崩壊後の1993年の作品です。1曲目の“haiti"の入ったアルバムを聴きたいという理由で捜し求めました。日本版は廃盤です。
ブラジル音楽の好きな人なら、このアルバムの素晴らしさが分かるはず。
ため息の出るほど良質なポップアルバムです。


Imgp1780_2 “haiti”はラップですが、2008年現在、巷に溢れるヒップホップ系のものとは全く異なるラテンのオジサマ的シニカルさがムンムン。
ジミヘンの“wait until tomorrow”のカバー、“baiao atemporal”, “desde que o samba e samba”も出色。

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山中千尋への戸惑い

Imgp0320_2山中千尋のピアノが好きで堪らない。
現存するジャスピアニストで、追っかけをしたくなるほどの音楽性の持ち主って、彼女くらいではないだろうか。
これはもう恋である。僕にとって神様みたいな存在のバド・パウエルも、それに次ぐ天才ジャズマンであるセロニアス・モンクも今はいない。
生のライブを共有できるピアニストでは、彼女が最高。CDを聴いた時間も、もしかしたらパウエルと同じくらいになるかもしれない。

Imgp0288_2しかし、彼女は素晴らしいが、悪癖もある。
音楽を壊しすぎる。僕にはそう感じられる。

悪い例は、彼女がエレクトリックを使った曲の多く。アルバム「LACH DOCH MAL」は彼女の最高の演奏、「TAHT'S ALL」をエンドにもってきていますが、エレクトリックのまとまりのない演奏が多く、アルバム全体の価値を大きく下げています。

Imgp0280「アビス」においてもエレクトリックを使った音楽には感心しません。
エレクトリックの中では唯一目から鱗の出来なのが、コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」。
エレクトリックとアコースティックの使い分けが最高に決まっています。なんてカッコいいのでしょう!!!
これほどの音楽が出来る人なのに…。

Imgp0324_2 久しぶりに聞く彼女のライブは、13日の金曜日、原宿のクエストホールでした。
彼女自身、「寒いMCですみません」と言うトークは、とりとめもないが、キャラが出ていて可愛い。
でも、演奏中に譜面を落とすこと、数え切れない。なんだかおかしいです。そんなんじゃ、だめですよ。
見ていて気合が入っているなと思ったのは数曲。確かにいい出来でした。
でも、それ以外は前述のエレクトリック主体のいらいらする曲ばかり。
この日の選曲は僕にとっては最低でした。

彼女のピアノが好きで好きで堪らないからこそ、諦めたくないからこそ、これでは…と思う複雑な心境。
彼女ならではのリリシズムとジャジーな切れだけで十分じゃないですか。
原点に戻って、世界最高のジャズピアニストになってほしいのです。

Imgp0323_3Imgp0322_6 
 

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chie ilha de sol

Ilha_de_sol_4
















冬に聴くボサノバ。
苦しい日々も孤独も不安も、それを許容し、昇華したときに感じる落ち着きとでもいうか、そんな感覚です。ラテンなため息は、明日への希望に繋がる。
ときおり微妙にスマイルを見せながら、何を考えているのか、振る舞いは軽やか、そんな人は魅力的だ。

ベタなブラジル音楽の間に挟まる独創的でファンタスティックな音空間。
とくに「ア・イーリャ」「ミニャ・ボィシ・ミニャ・ヴィータ」でそれを感じます。
一推しは「トリィーリョス・ウルバーノス」。この曲を車の中、J-WAVEで聴いてアーチストを探しました。
全編、クリスタルボイスを乗せてアコースティックサウンドの魅力で満ちていますが、面白いのはブラスをフィーチャーした曲が多いこと。
フルート、トロンボーンはブラジル音楽ではあたりまえですが、クラリネット、オーボエ、フリューゲルホーンまで登場します。
「ア・イーリャ」のチェロも美しいし、この曲はコーラスと掛け合いながら執拗な転調を繰り返してさっと終わるところなど幻想的でとてもチャーミング。
「トリィーリョス・ウルバーノス」の独特のピッチ、コード感覚など、エッセンスいっぱいで不思議な魅力を持ったアルバムです。

chie ilha de sol (イーリャ・ヂ・ソール) 2007.11.21発売(ビデオアーツ・ミュージック)
http://www.videoartsmusic.com/chie/
 ※試聴できます。Chieさん本人による解説も読めます。

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