プチグルメ

珈琲物語

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飲んで感動した珈琲の記憶というのは貴重だ。
特に珈琲好きというほどでもないので、飲み歩いたりはしないけれど、これほど美味い珈琲を出す店というのは、東京ではここしか知らない。

前回の訪問(初訪問)から2年と9カ月が経ってしまっていた。なんというめくるめく時間の流れだろう。
ここの珈琲を十杯飲まないうちにあの世に行ってしまうかもしれない。

いや、二十杯か。。。

そう、飲めば必ずおかわりしてしまう。

とても濃い味だけど、くどい感じがしない。しっかりした深い味わい。

今回も前回も物語ブレンド。おかわりは割安で頼みやすいけれど、次回は違うものも頼んでみようか。

店内は、店主の拘りを感じさせる、長いカウンター席と、珈琲カップの陳列棚。

時間がゆっくりと流れる、というのは、正にこういう店を形容するときに使う言葉だ。

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http://coffee-story.co.jp/

柊屋別館

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京都に来たからには、ちゃんとした京懐石を食べたいと思った。
とはいえ、祇園あたりの懐石料理は平気で2万、3万取る店が犇めいているし、2泊のうち1泊は宿で食事をとりたいと思ったので、料理の有名な宿で、値段もまあまあ手頃なところということで、柊家別館に落ち着いた。宿泊費は1万9千円。部屋は一番良いところじゃないかと思う。

柊家の本館は京都でも指折りの高級旅館として有名だ。宿泊費は下は3万円から上は9万円。
しかし、別館の方は、宿が高級な作りにはなっていないため、だいぶ廉価になっている。ネット情報では、料理の評判も良い。

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京都市役所の近くにあり、ちょっと歩けば、河原町の賑やかな繁華街にも歩いて行ける。
そんな場所に、ここだけ時間の流れが止まったような昭和の宿がある。
僕の年齢(40代)くらいを境にして、子供のころによく目にした作りで懐かしいと感じるか、ただ古臭いだけと感じるか、分かれるかもしれない。
床が軋むということはなく、よく手入れされているようだが、決して高級旅館というわけにはいかない。
少々高めの宿代は、もてなしの心と料理が全てといってもいいだろう。

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先附
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椀物 

その料理、東京でよく目にする、5千円前後のプチ京懐石とは一線を画すレベルのものだったことは間違いない。
京懐石にしては、椀物など、味はやや濃いめであるようだったが、凡人には想像できない技を感じさせる料理が続き、一品一品出てくるごとにワクワクした。
しかし、願わくば、刺身だけは出ない方がよかった。これだけは料理人の腕が揮われないものだろうが、スーパーで買ってくるものより落ちる気がした。
朝食は夕食ほどの感動はないが、彩りよくまとまっている。

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焼物
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焚合せ
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向附                    お凌ぎ
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汁物                    水物

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朝食

http://www.hiiragiya.com/

美齢

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印象的な、素敵な店名だと思う。
美齢(メイリン)は、食べログでたいへん評判の高い京都の中華料理店だ。
中華料理は高級店も多いが、ここは庶民のための隠れ家的なお店で、料金設定はとても良心的だ。(写真の料理は、一皿800円~900円)
その場所は、繁華街でもなんでもない、軽自動車でさえ通れない路地にある。
店には2階もあるようだが、予約して通されたのは、目の前でご主人が調理するのを眺められる1階のカウンター席。
1階席は全部で10席に満たない、こじんまりとした店だ。

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 ふかひれと蟹肉のスープ

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 石焼マーボー豆腐

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 青梗菜のクリーム煮

僕が気に入ったのは、中華なのに京懐石料理店のような構えと、その中華らしからぬ上品な味だ。
真に美味い料理は、薄味につきると思っている。
京都で中華を食べるにしても、下卑たものは厭厭、辛さにひーひー言いながら食する四川料理など言語道断、分不相応に肥えた味覚を満足させたい。
この店、高級素材を使っているわけでもなく、極めて大衆的なメニューだが、京都らしい中華レストランであり、コストパフォーマンスの高さともども、たいへん満足した。
この日、注文した中では、青梗菜のクリーム煮のクリームが出色だった。

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 豚肉の黒酢いりつけ

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 杏仁豆腐(金木犀の花入り)

美齢(メイリン)
 京都府京都市上京区黒門通元誓願寺上ル寺今町511
 Tel=075-441-7597
 営業時間=11:30~14:00, 17:30~21:00
 定休日=月曜・不定休

鍵善良房

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昔、金沢に住む叔父から、母の住む実家に、くずきりが送られてきたことがあった。
和菓子にはあまり興味がない自分だったが、このときのくずきりが随分と美味しく、くずきりは自分にとって、単なる和菓子の範疇に納まらない特別なものとなった。
それ以来、デパートの食品店街や浅草等に行って、くずきりを目にすれば、買い求めた。しかし、これぞくずきりという、納得したものには出会ったことがない。

そういうわけで、せっかく京都に行くのだから、くずきりの名店があるはずとネットを検索して見つけたのが、この店だ。
鍵善良房(かぎぜんよしふさ)は四条通りに本店があるが、最初に入ったのは、高台寺(こうだいじ)店の方だ。ねねの道から西へ1本ずれた通りにある。本店より狭いが、場所柄落ち着く。

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看板のくずきりは黒蜜と白蜜とある。両方食べてみたが、黒蜜の方が断然美味しい。
蜜の味は濃厚な甘さだが、不思議とくどく感じない。くずきりの不思議な感触との相性は、天の恵みとしか思えない。
くずきりというものを発見した人もすごいが、黒蜜と合わせたことは、日本食文化の最も恵まれた出会いの一つだと思う。
水上勉氏の気に入りだったくずきりの名品だが、氏が書くように、お替りしたくなる美味しさだ。

ところで、普段口にしない黒蜜であるが、同じ京都旅行で入った宝泉茶寮の、わらびもちに供えられた黒蜜は、甘さを抑えたものであった。どちらも素晴らしく、和菓子もなかなか奥深いと感じた。

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高台寺店

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グリーンティー

高台寺店があまりに気に入ったので、翌日、本店にも伺った。
こちらは賑やかな四条通りに面しているが、中に入ると、表の喧騒が嘘のように、穏やかで居心地の良い空間が広がっていた。

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本店(四条通り)

http://www.kagizen.co.jp/

まつか

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何軒か長野で食事を取ってきて分かるのは、長野の人は濃い目の味を好むようだということ。
鰻屋さんも、松本の「まつか」で6軒目だが、岡谷の「観光荘」ほどではないにしろ、けっこう濃くて甘かったな。
10月末の松本は寒く、おかげで具合を悪くしたけれど、やはり寒いところでは、濃い味が支持されるのだろう。
自分の好みでは、鰻の蒲焼といえど、タレの甘さはごく控えめの方がいい。

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しかし、鰻の蒸し、焼きの技術が高いのだろう。鰻そのものの出来は文句ない。
鰻は肉厚でありながら、旨みを失わない良質なもの。炭の香りがするというのは、こういうことかと思わせる。
一番安い「うな丼」1,800円に、連れの鰻先生と合資で「肝焼き」800円を注文したけれど、肝焼きも素直に美味しかった。
蒲焼より好きな白焼がメニューにないのは残念だけど、車だから、どうせ日本酒も呑めないか…。

歴史ある城下町で代々営む老舗の貫録。長く続いてほしい一軒です。

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住所=長野県松本市中央3-2-29
Tel=0263-32-0747
営業時間=11:30~(売り切れじまい) 予約不可
【注意】11:00前から待ち列ができ、11時くらいに開店することがあります。12時くらいには売り切れるという噂があります。
お昼しか営業していません。
定休日=毎週木曜日

美かさ

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観測史上最高の猛暑の最中、天ぷらを食すことにした。
店は全国区で評判の高い「美かさ」である。門構えからして良く、店内もセンスよくまとめられている。
カウンターだけの10席。贅沢な時間を過ごせた。写真は出された全品。コースは一つに決められている。

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全てに匠の技を感じるということはなかったが、海老の剥き身の入った椎茸が出色。魚も美味い。小メロンを除いてオーソドックスな品々。ただ、天婦羅という料理がそういうものなのかもしれないが、美味いのだが感動はない。素材の魅力を、混じりっ気なしに、凝縮して引き出すのが天婦羅という料理なら、フレンチや懐石料理とは料理の方向性が違うのかもしれない。また、そうだとすれば、天婦羅はもっとシンプルで庶民的でなければならないだろう。

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「美かさ」
神奈川県川崎市宮前区宮崎2-9-15
Tel. 044-853-1819
東急田園都市線宮崎台駅徒歩4分
17:30~、19:30~の2部制。完全予約制。
予算1万円~1万2,000円程度

クチーナ・ハセガワ

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那須の中心街より離れた所にある、ちょっと教えたくない気もするお店。
料理のセンスを感じたので、載せてみます。日曜日のランチタイム、遅めの時間に着くと、満員で少々待ちました。
スープが品切れで、代わりにチーズとサラミにして貰います。しかし、このチーズとサラミが美味しいのなんの♪
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野菜も美味しく、パスタのソースがまた素晴らしい。ソースといっても、乾燥気味の料理なんですが、なんだかシェフの拘りを感じます。風格すら感じる料理です。いつも食べているものより味付けが薄いとか、変わっているとか、それがネガティブな印象になるのなら、それはだいぶ違うなと思う。
というわけで、とても気に入ったお店なのですが、次に行けるのはいつになるやら…。

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http://www.geocities.jp/cucinahasegawa/
 

ボジョレー・ヌーヴォー ジョルジュ・デュブッフ 2008

Imgp1851_3 ワインは難しい。僕はフランスに行ったことがないのだが、当地で飲むワインは日本で飲むより美味しいそうだ。やはり船便で品質が落ちるのだろうか。
空輸で送られるヌーヴォーワインは本国で飲むのと大差ないのだろう。当たれば素晴らしい。

何が違うのだろう、よく分からないのだけれど、ジョルジュ・デュブッフのヌーヴォーに感動したことがある。
何年か前、ヨーロッパが異常気象で猛暑に見舞われた夏。皮肉にもその年のヌーヴォーに僕は驚愕した。
ボジョレー・ヌーヴォーなんて所詮ワインの本道でないと思っていたのに、こんなに美味しいものかと舌を巻いた。
気になって翌年もジョルジュ・デュブッフのヌーヴォーを買い求めたが、あれれ、どうってことない。昨年も飲んだと思うが、まるで記憶に残っていない。

でも、今年のはいいようです。あのときを思い出します。
こういう飲み物は、普段手に入りません。高価な年代物のワインとは明らかに違う、微かに舌がジンジンとくるようなフレッシュな味。面白いですね~。

実は今年は買うか迷ったのですが、決め手はラベル。今年のラベルはどこか東洋的ですよね。
(2,180円、輸入元:サントリー)

石ばし

Imgp0575_2東京・文京区にある老舗。通の評判がすこぶるよい。
有楽町線江戸川橋駅からの道はやや分かりにくいが、陽が落ちかけた頃に入店する。
玄関脇に椅子席がある。靴を脱いで上がると3部屋の座敷があり、一番奥の座敷に通される。テーブルが3つある。
料亭のようでもあるが、それよりは人の家に上がりこんだ様だ。
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入ってしまえば随分と落ち着く空間なのだが、ここに来るまでは少々面倒だった。
予約制だし、電話してもなかなか繋がらない。やっと繋がったと思えば、何日か先の注文まで電話でさせるのだった。その日の気分などお構いなしだ。
なんだか敷居が高くて、こんな店は本当に特別なときだけにしたいなと思わなくもない。
いや、ここの白焼きを食べるまでは…。

Imgp0614酒を注文するとお通し二品がつくとある。別料金である。注文しなくとも豆腐と3品が載った皿が出た。どれもいけるが、豆腐の美味しさが特筆ものだと思う。
漬物は家庭的な味で滅多に食べられない深みはあるが、洗練味に欠ける。



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Imgp0644注文してから1時間以上経った頃、肝焼き3点が登場。写真奥から順に、レバー、肝焼き、あばらみ。
あばらみに巻いてある黒いものは鰭(ひれ)らしい。これで鰻20匹分だそうだ。この料理、予約しないと出てこない。それも確実に出せるかは分からないが・・・という条件付となる。
レバーとあばらみは鰻らしい味で美味しい。肝焼きは苦味が強く、日本酒かビールがないと進まないかもしれない。
Imgp0648続いて白焼きが登場。思ったより大きい。わさび醤油で頂くと、口の中が何とも華やか。
こんな美味い白焼き、初めて食べた。醤油だれがまた格別。
この後出てきた鰻重も素晴らしかったが、白焼きが鰻重の蒲焼よりも美味しいと思ったのは初めてだ。


Imgp0655白焼きも鰻重も大満足。本当に鰻の美味しい店だ。
柔らかい、固い、ということも、甘い、辛い、ということも特に意識しなかったが、頭より先に舌が満足してしまった。
使っているのは、静岡の吉田町産の鰻とのこと。


Imgp0660ところで、ここの山椒はとてもスースーするし、酸味が強い。
舐めると10秒後、20秒後と舌の上で変化し、パニックになるほど刺激が強い。かけ過ぎないようご注意あれ。






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アンリ・ルルーのキャラメル

Imgp0003_2日本では新宿の伊勢丹にしか出店していないアンリ・ルルーの看板は、ちょっと変った、塩を利かしたキャラメルです。
なかなかの珍味なのですが、それもそのはず、ショコラティエならぬキャラメリエは世界でアンリ・ルルーただひとりなのだそうです。
その舌触りは、グリコや森永のキャラメルとはまるで違います。
もっと軟らかく、溶けるようで、杏飴よりも軟らかいと思わせるところがあります。

Imgp9975_3常時5種類、季節によって増えるようですが、どの種類も共通しているのは有塩バターによって広がる奥深い世界があること。
料理における塩の使い方の重要さは、料理人でなくても知られているところですが、このような菓子の類でも例外ではなく、よく知っている素材の違った魅力を引き出すものだなと感心します。
奥深い味覚の世界を演出する塩の魔力と、その使い手の素晴らしい技量に拍手!
私のお気に入りは、ショコラ、フランボワーズです。

【2008.10月追記】
9月に出ていたもの。左手前から時計回りに、シトロン・ヴェール、アナナス・べ・ローズ(パインとピンクペッパーの取り合わせ、珍味!)、ディアブル・ローズ(バナナ、フランボワーズ、パッションフルーツの取り合わせ)、サラジンヌ(蕎麦の実入り)。
レギュラーと合わせて8種類も揃っていました。ショーケースを眺めているだけで楽しくなります。
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それにしても飽きません。気が滅入っているときでも舐めていると元気が出てくるほど、本能的に興奮する美味しさです。初めて口にしたときよりも、その素晴らしさが分かるようになってきている自分です。
http://www.henri-leroux.com/

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